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有限要素法による電磁界計算入門

有限要素法による電磁界計算入門 05 静電場解析のテスト:電場の計算と分析

有限要素法による電場と磁場の計算に関するオンラインコースのこの5番目のセクションでは、前のセクションで説明したメッシュファイルを使用して電場の解析を行います。 開始するには、TriCompプログラムランチャーからEStatを実行します。 「1」のツールボタンをクリックし、メッシュファイル「COAXIALCYLINDERS.MOU」を選択します。 プログラムは、メッシュ内で定義された領域を調べ、図1のダイアログを表示します。示された値は、前の記事で解説した解析パラメータに沿った値です。 これらをフィールドに入力し、OKをクリックして、出力ファイル名「COAXIALCYLINDERS.EIN」を受け入れて保存します。

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図1. EStat入力スクリプトを作成するためのダイアログ。

ダイアログの動作を理解するには、「File / Edit script(EIN)」メニューコマンドを選択し、エディタでファイルをロードします。 以下に内容を示します:
 
* File: CoaxialCylinders.EIN
Mesh = CoaxialCylinders
Geometry = Rect
DUnit =   1.0000E+02
ResTarget =   5.0000E-08
MaxCycle =    5000
* Region 1: DIELECTRIC
Epsi(1) =   1.0000E+00
* Region 2: INNERELECTRODE
Potential(2) =   1.0000E+02
* Region 3: OUTERBOUNDARY
Potential(3) =   0.0000E+00
EndFile
 
設定値の多くについて、何が設定されているのか理解できると思います。 解の精度を制御するResTargetとMaxCycleのパラメータについては、EStatのマニュアルを参照してください。 この場合、デフォルト値で問題ありません。
 
エディタを終了し、 “2”ボタンをクリックします。 「COAXIALCYLINDERS.EIN」を選択すると、EStatは1秒未満で有限要素式を生成して解きます。 メッシュサイズが大きくなると時間がかかりますが、一般的に実用的な解の実行時間は1分未満です。 プログラムは、ファイル「COAXIALCYLINDERS.ELS」(エディタで見ることのできる診断リストファイル)と「COAXIALCYLINDERS.EOU」(各ノードのメッシュ座標と電位の値の記録)を作成します。
 
結果を確認するには、 “3”ボタンを押し、「COAXIALCYLINDERS.EOU」を選択します。 「ANALYSIS」(分析)メニューで興味深いプロットを生成することができます(図2)。 また、図に示すような移動可能なフィールドプローブのような便利なツールもあります。 ここでは、具体的な数字に注目してみましょう。 まず、一つの点における計算(ANALYSIS / Point calculation)で解の絶対精度をチェックしてみましょう。 半径r = 10.0 cmでは、前の記事の数式では次の値が得られます。
 
Er(r) = 910.23923 V/m
φ(r) = 36.90703 V
 
EStatの数値補間は、周囲のノードの電位値の参照が含まれます。 対称境界では、使用可能なノードが半分しかないので、精度は最適ではありません。良い比較をするためには境界より内側のポイントを使うべきです。 45゜の線上で、r = 10.0 cmの位置は x = y = 7.071068 cm に対応します。 ポイント計算ツールをクリックします。 計算領域内でマウスを動かし、左ボタンをクリックすることで位置を指定することができますが、この方法は、この比較には十分正確ではありません。 ポイント計算(Point calculation)ツールをクリックした後、F1キーを押して、座標を手動で入力します。 x、yの値を7.071068に設定し、[OK]をクリックします。 計算された数量が画面下部に表示されます(図2)。 電位(36.90767 V)および電場(910.23111 V/m)の計算値は理論値と千分の1パーセントの桁で一致しています。
 
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図2.ポテンシャルの塗りつぶし等高線図でとポイント計算の結果。
 
画面から数字をコピーするのではなく、EStatで数字を書き出してみましょう。 FILE / Open data record(データレコードを開く)コマンドをクリックし、デフォルトのファイル名のCOAXIALCYLINDERS.DATを受け入れます。 これで、インタラクティブな計算を行うたびに、結果がテキストファイルに記録されます。 たとえば、メニューコマンド「ANALYSIS / Volume integrals」(体積積分)を選択します。 結果のファイルは外部のテキストエディタで見ることができます。 EStat内部のエディタを使用するには、最初に「Close data record」(データレコードを閉じる)コマンドをクリックします(ファイルの2つのインスタンスを同じプログラムで開くことはできません)。 電界エネルギーの計算値(電界 エネルギー密度の体積積分)は次のとおりです。
 
Quantity: Energy
Global integral:   1.708936E-07
RegNo   Integral
==========================
1    1.708936E-07
2    9.881184E-37
 
 
内部電極(領域2)内の電界は数値的にゼロです。 誘電体(領域1)の電界エネルギーを使って長さあたりの静電容量を求めることができます。 計算では第1象限のみをカバーするので、100 V、Ue = 6.835744E-7 J/mでの同軸円筒の長さ当たりの電場エネルギーを求めるには、4倍する必要があります。 式 C = 2 * Ue / 100^2により、前のセクションで引用された理論値(c = 1.3567E-10 F/m)の0.8%以内の値c = 1.367149E-10 F/mが得られます。
 
要素のサイズの影響を理解するために、さまざまな要素サイズの選択肢について、いくつかの半径において精度を比較したいと思います。 しかしポイント計算ツールを実行し、各データの座標を入力する必要があり、手順が少々面倒です。 次回の記事では、この分析手順を自動化します。
 

有限要素法による電磁界計算入門 04 静電場解析のテスト:メッシュの作成

この記事は、有線要素法を用いた電場および磁場の計算のオンラインコースの第4弾です。 前の記事では、入力ファイルの作成方法とメッシュパラメータの選択方法の詳細には触れずに、あらかじめ用意した例題を追って説明しました。 これで最初からサンプルを作成し、メッシュの幾何形状が解の精度にどのように影響するかを学ぶ準備が整いました。 比較を行う最も良い方法は、解析解を持つ系をモデル化することです。 ポテンシャルと電場の空間的変化を考える場合の良い例は、同軸円筒間に電圧を印加した場合の計算です。
 
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図1. 2Dコードで同軸円筒をモデル化する方法
 
2Dコードで同軸円筒をモデル化するには、2つの方法があります。最初のもの(図1、上)は、円柱座標z-rを使用し、zの上限と下限z境界でノイマン条件としてz方向に無限に長いモデルを計算することです。 (このノイマン条件は、電界Ezの平行成分が境界でゼロであることを規定しています)。電極境界が単なる直線であるこの手法は、コンフォーマル(共形)メッシュが必要ありません。しかしここでは代わりに、断面がx-y平面内にあり、系がz方向に無限に延びる平面座標(図1、下)を使ったモデルを使用します。各パラメータは、Ri = 5.0cm、Ro = 15.0cm、Vi = 100.0Vとします。円筒間はポリエチレン(εr= 2.7)で満たされ、外側電極は接地とします。電磁気学のテキストで利用可能な公式を使用すると、電位および電場の半径方向の変化および単位長さあたりの静電容量は、下記のようになります。
 
 Er(r) = 91.023923/r
 φ(r) = 100.0*[ 1 – ln(r/5)/1.098612]
 c = 1.3567E-10 F/m
 
まず、数値計算のために形状を定義します。Meshを実行し、メニューから「File/Create script/Create script graphics」を選択します。図2に示すように、ダイアログに設定値を記入します。寸法の設定については、解析空間は空間の第1象限のみをカバーすることに留意してください。ここで採用するテクニックは、対称性のある境界です。解析結果がそれぞれ同じである場合に4つの象限をすべて計算する必要はありません。
 
インタラクティブな描画セッションを開始するためのダイアログ
図2.インタラクティブな描画セッションを開始するためのダイアログ。
 
[OK]をクリックすると、プログラムは図3の描画エディタに入ります。 ディスプレイには、上部にメニューがあり、その下に描画ツールセット、メイン描画エリア、下部にステータスバーがあります。 以下の物理的領域(region)を定義します。
 
Region 1: 円筒間のポリエチレン誘電体
Region 2: 100.0Vの内側境界
Region 3: 0.0Vの外側境界
 
領域(region)を入力する際に、現在の領域が前に作成した領域の共有部分の要素やノード(節点)を上書きすることに注意してください。
 
Meshの描画エディタ
図3.Meshの描画エディタ
 
デフォルトでは、描画エディタは、Region 1のアウトラインベクトルを追加する準備ができています。線ツールをクリックし、マウスカーソルを描画領域に移動します。カーソルが十字に変わり、現在の座標位置を示すオレンジ色のボックスがあることに注意してください。スナップモードがデフォルトで有効で、ボックスは設定されたステップで段階的に正確な座標位置に移動します。マウスカーソルを動かして座標ボックスを原点[0.0、0.0]にドラッグし、マウスの左ボタンをクリックして線ベクトルの始点に設定します。次に、x軸の終点[15.0、0.0]に移動し、もう一度ボタンをクリックして終点を設定します。領域(region)1の色の線が下の境界に沿って表示されます。プログラムはライン入力モードのままです。 y軸に沿って別のベクトルを描画します([0.0、0.0]から[0.0、15.0]まで)。ライン入力モードを終了するには、マウスを右クリックします。領域の円形の外周を追加するには、「Arc/Start-end-center」ツールを選択します。[15.0,0.0]、[0.0、15.0]、[0.0、0.0]の位置に順にマウスを移動し、左ボタンをクリックします。図3の円弧ベクトルが見えるはずです。
 
Region 1のアウトラインが完成したら、領域のプロパティを設定します。 「Settings/Region properties」を選択して、図4のダイアログを表示させます。Region 0は、出力スクリプトに表示される参照ベクトルを格納する特別な場所です。Region 1の名前を「DIELECTRIC」と入力し、Filled(塗りつぶし)ボックスをチェックします。この場合、Meshは境界のノードだけでなく、囲まれた要素もRegion 1に割り当てます。 (Filledプロパティは、面積がゼロでない領域に適用できます。)ダイアログを終了します。
 
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図4. Regionプロパティのダイアログ。
 
 
次に、誘電体領域の一部を上書きして内側電極を作成します。 「Start next region」(次の領域を開始)をクリックします。入力したすべてのベクトルはRegion(領域)2に関連付けられます。Region 2はRegion 1と同じ形状ですが、半径は15.0ではなく5.0です。 最初の行が[0.0、0.0]から[5.0,0.0]まで伸びる以外は同じ手順を使用します。 完了したら、「Settings/Region properties」(領域のプロパティ)に行きます。 INNERELECTRODEという名前をRegion 2に割り当て、Filledプロパティを設定しダイアログを終了します。
 
これまでの作業を確認するには、「Toggle fill display」(塗りつぶし表示切り替え)ツールをクリックして図5のプロットを表示します。塗りつぶし表示(fill display)モードは、メッシュの診断と可視化の補助の両方の役割があります。 塗りつぶし領域のベクトルが閉じた面を定義していることをチェックし、囲まれた要素がどのように割り当てられているかを示します。 ツールをもう一度クリックすると、通常のベクトル表示に戻ります。
 
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図5.塗りつぶされたRegion 1と2の完全性のチェック
 
 
領域(Region)3を定義することによって設定は終わりでます。この領域は、塗りつぶされたボリュームではなく、外側の境界にある固定電位ノード(節点)のセットです。 このような領域は、塗りつぶされていない(un-filled)領域またはライン領域と呼ばれます。 「Start next region」(次の領域の開始)ツールをクリックし、「Arc/Start-End-Center」ツールをクリックします。 外側境界を上書きするには、[15.0,0.0]、[0.0、15.0]、[0.0、0.0]の座標に順番に移動し、マウスの左ボタンをクリックします。 Region 1の外縁のノードは、Region 3(薄紫色)に再割り当てされます。 領域名を「OUTERBOUNDARY」と設定し、Filledボックスはチェックしないでください。 左下の誘電体境界に特別な条件を設定する必要があるのではないかと疑問に思われるかもしれませんが、有限要素解法の優れた点は、デオフォルトの境界が自動的にノイマン条件になることです。 ここでは単に境界線だけを残しておきます。
 
 
「Export MIN」(MINファイルの書き出し)ツールをクリックして、作業内容のコピーを保存してから、描画エディタを終了します。作業の結果を確認するには、「File/Edit file」コマンドを選択し、COAXIALCYLINDERS.MINを選択します。以下が内容です:
 
* File: CoaxialCylinders.MIN
 *  -------------------------------------------------------
GLOBAL
 XMESH
  0.00000   15.00000    0.20000
 END
 YMESH
  0.00000   15.00000    0.20000
 END
END
*  -------------------------------------------------------
REGION  FILL DIELECTRIC
 L     15.00000    0.00000    0.00000    0.00000
 L      0.00000    0.00000    0.00000   15.00000
 A      0.00000   15.00000   15.00000    0.00000    0.00000    0.00000
END
*  -------------------------------------------------------
REGION  FILL INNERELECTRODE
 L      5.00000    0.00000    0.00000    0.00000
 L      0.00000    0.00000    0.00000    5.00000
 A      0.00000    5.00000    5.00000    0.00000    0.00000    0.00000
END
*  -------------------------------------------------------
REGION OUTERBOUNDARY
 A     15.00000    0.00000    0.00000   15.00000    0.00000    0.00000
END
*  -------------------------------------------------------
ENDFILE
Regionのベクトルと座標についてはよく知っているはずです。上のコマンドは、要素のサイズを設定します。今のところ、デフォルトを受け入れています。
 
最後のステップでは、領域境界を設定したファイル(COAXIALCYLINDERS.MIN)から完全なメッシュを記述するファイル(COAXIALCYLINDERS.MOU)を生成します。メインのMeshメニューで、「File/Load/Load script(MIN)」を選択し、作成したばかりの入力ファイルを選択します。 [Process]を選択してから[Plot-repair]を選択すると、図6の結果が表示されます。 これは良いメッシュでしょうか?定性的には、境界は比較的滑らかであり、すべての形状が良好に再現されている(すなわち、空間的な形状変化がいくつかの要素に及んでいる)ため、答えはイエスです。この結論に関しましては今後の記事でより定量的に取り上げます。
 
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図6.完成したメッシュ
 
次の記事では、作成したメッシュを電場の計算と比較に使用します。
 
 
 

有限要素法による電磁界計算入門 03 最初の2次元静電界解析

この記事は、有限要素法による電磁界計算入門のオンラインコースの第3回目です。このセクションでは、詳細には立ち入らずに、2Dの静電界の問題の数値計算と解析の手順について述べます。この記事の目的はEStatの機能の簡単なデモです。続く記事で静電場理論とプログラム技術の詳細についてカバーします。
 
Field Precisionソフトウェアの優れた特徴の一つは、二種類の入力方法があることです。つまり、数値解析のための幾何学的形状および材料特性のデータを与えるために次の様な2つのオプションがあります。
 
  • インタラクティブ:対話型のダイアログ内の項目に値を入力することによる、モダンな有限要素法プログラムの標準的な方法。このオプションは、初心者のユーザーが迅速に新しい計算対象の系の解析をセットアップするのに便利です。
  • テキスト:入力スクリプトを使用する古典的な方法。このオプションでは、経験豊富なユーザーが簡単にセットアップに変更を加えることができ、外部プログラムまたはバッチファイルの制御により、プログラムを自動実行させることが容易になります。スクリプトはまた、計算の設定内容に関する、永続的にアクセス可能な記録としても使えます。
このデモでは、MeshEStatに組み込まれたテキストエディタを使用して、予め準備された例題の入力スクリプトを実行する前にチェックしてみます。重要な仕事には、良いテキストエディタ(注意:「メモ帳」は良いテキストエディタではありません。)を持っていることが不可欠です。次のブログ記事では、テキストエディタ「ConText」を取得し、Field Precisionプログラム用の構文カラーコードを追加する方法について説明しています:
 
 
まず計算を始める前に、データ整理のための少し準備をしておく必要があります。始めに少し努力をしておくことで、後の頭痛の多くを防ぐことができます。FP File Organizerか、すでにお使いのファイルマネージャをを実行します。有限要素法計算をするためのディレクトリ(フォルダ)を作成したい場所に移動し、"Simulations"というディレクトリを作成します(ここでは例として"c:¥Simulations"を使います)。サブディレクトリとして"Electrostatics"、さらに"Electrostatics¥Practice"を作成します。右側のウィンドウで、"c:¥FIELDP_BASIC¥TriComp¥Examples¥EStatExamples"に移動します。ここで一つの例題のファイルをコピーします。"electrondiode"を含む名前のファイルを選択し、"Practice"ディレクトリにコピーします。図1はFP File Organizerで操作した後の画面です。
 

データディレクトリを設定し、例題ファイルをコピー

図1. データディレクトリを設定し、例題ファイルをコピー
 
デスクトップのショートカットをクリックし、TriCompのプログラムランチャーtc.exe(図2)を実行します。図のように、「Mesh」と「EStat」のボタンがアクティブになっている必要があります。アクティブになっていない場合は、「PROGRAM FOLDER」ボタンをクリックして、"c:¥FIELDP_BASIC¥TriComp"ディレクトリを選択して下さい。「DATA FOLDER」ボタンをクリックし、"c:¥Simulations¥Electrostatic¥Practice"に移動します。その後はすべての入力/出力操作は、このフォルダが対象となります。
 
TriCompのプログラムランチャー
図2. TriCompのプログラムランチャー
 
有限要素法解析には次の3つの基本ステップがあります。
 
  • 解析空間の形状を定義し、小さな要素に対象物を分割。このプロセスはメッシング(メッシュ生成)と呼ばれます。
  • 支配偏微分方程式(静電界のポアソン方程式)を近似する線形方程式の組を大量に生成し、それらを解く。目標は、メッシュ(節/ノード)上の各点の静電ポテンシャルを決定することです。
  • 結果の解析 - ポテンシャルの値を用いて興味のある物理量(電場、電場のエネルギー、静電容量、など)を算出する。
一番目の機能は、Meshプログラム(mesh.exe)によって行われ、二番目、三番目の機能はEStatプログラム(estat.exe)によって行われます。メッシングが別のプログラムによって行われる理由は、同じメッシュを他の種類の解析プログラムでも使うことがあるためです。Meshからの出力ファイルは、PerMag(磁場)TDiffの(熱伝導)などTriCompシリーズの他のすべての解析プログラムと互換性があります。言い換えれば、静電場のためにMeshについて学べば、後に述べる磁場解析にも役立ちます。
 
 
「Mesh」ボタンをクリックしMeshプログラムを起動します。最初は画面には何も表示されません。上部のメニューから「File / Edit file」を選択します。ファイル選択ダイアログは、データフォルダ内の4つのファイルを示しています。MINはメッシュ入力を指定ELECTRONDIODE.MINを、ピック。「electrondiode.min」を選択します。ここで、拡張子「min」はMesh INput(メッシュインプット)を意味します。内蔵プログラムのエディタは、このファイルの中身である組織化された一連の数値の集合を表示します(図3)。まず、解析空間内の異なる物理的対象物を表す、複数の「REGION(領域)」のセクションがあることに注目してください。各領域(REGION)のセクションには、領域形状を定義する線分または円弧のベクトルの集合が含まれています。各数字は、ベクトルの座標です。MINファイルを作成したり、内容を変更するためには2つの方法があります。
 
  • 汎用のインタラクティブな2D CADプログラム、Mesh Drawing Editorを使う。
  • テキストエディタを使用して直接数値を変更する。
両方のオプションについては次の記事で説明します。ここでは何も変更せずにエディタを終了します。
 

内蔵メッシュエディタ表示

図3. 内蔵メッシュエディタ表示
 
「FILE」メニューの「Load script(MIN)」を選択するか、ツールバーの左側のボタンをクリックし、ファイル「electrondiode.min」の内容をロードします。その後、「PROCESS」メニューか、緑の四角のボタンをクリックします。そうするとMeshは必要な要素サイズと各領域(Region)のベクトルを分析し、小さな要素の集合体を作成します。
結果を表示するために、メニューの「PLOT-REPAIR」を選択するか、ツールバー右側の「Plot/repair」ボタンをクリックし、図4のような表示にします。解析空間は入力スクリプトに書かれた、物理的対象物(誘電体や電極)を表す領域(region)毎に分割されています。断面は三角形の小さな領域で分割されています。この計算は円筒座標系であり、下側の境界(r = 0)を中心とした回転体の形であることに注意して下さい。
z-rプロットを初めて見ると多くのユーザーは、(θ方向の)底はどこになるのだろうと考えるかもしれません。それに対する答えは「底」はないということです。また半径rの負の値はありません。一方で、デカルト座標系におけるy=0のようなスライス面では上限と下限の端があります。円筒座標の解析空間では、要素は三角形の断面を持ち、方位角方向の全範囲(θ= 0°から360°)にわたって延びる円環となっています。
 

メッシュ全体の表示

図4. メッシュ全体の表示

それでは解析空間を詳しく見てみましょう。メニューのVIEW / Zoom windowを選択するか、「Zoom window」ボタン(ツールバー左)をクリックし、マウスを左クリックし動かすことによって拡大したい四角形の範囲の角を指定します。図5は、拡大して見やすくなった要素断面図を示しています。右下の挿入図は、表示範囲を示しています。領域の境界にうまくフィットさせるために三角形要素が変形されていることに注目してください。
このようになっている理由は、表面の電場を精度よく計算するためです。こうしたカスタマイズされた形状の要素を持つメッシュをコンフォーマル(共形)メッシュと呼います。メインメニューに戻り「FILE/Save mesh (MOU)」を選択するかツールバーの「Save mesh tool」ボタンをクリックし、Meshでの作業を終わります。FP File Organizerに移り、F3キーを押して表示を更新してください。二つの新しいファイルがフォルダに追加されています。
 
  • electrondiode.mls:処理の内容を記録したテキスト形式のリストファイルで、何か問題が起きた場合に有用です。
  • electrondiode.mou:メインの出力ファイルで、各要素の情報(領域regionとの関連付け)とノード(要素同士の境界)の座標が書き出されています。このファイルは、TriCompのすべての解析プログラムで読み込んで使うことができます。ファイルはテキスト形式であるので、テキストエディタで内容を見ることができます。

メッシュの一部分の詳細図

図5.メッシュの一部分の詳細図
 
次に、プログラムランチャーからEStatを実行します。「FILE/Edit script(EIN)」を選択し、ファイルelectrondiode.einを選びます。エディタが内容を表示しています
 
* File ElectronDiode.EIN
DUnit = 39.37
Geometry = Cylin
Epsi(1) = 1.0
Epsi(2) = 81.0
Epsi(3) = 2.7
Potential(4) = -500.0E3
Potential(5) = 0.0E3
Potential(6) = 0.0E3
ENDFILE
 
上の二つの一般コマンドは、メッシュファイルでの寸法はインチ単位で、解析対象の系は円筒座標であるということを設定しています。
他のコマンドは、解析空間の各領域の物理的特性を設定しています。最初の三つの領域は、誘電体(真空、純水、ルーサイト)であり、残りの領域は、固定電位の電極です。ここでも、EStat入力スクリプトを作成するための2つの方法があります。すなわり、GUIのダイアログで対話形式で値を与える方法とテキストエディタで直接入力する方法です。
 
ツールバーの「1」,「2」、「3」とラベルの着いたボタンはEStatの主な三つの機能を呼び出します。:
  1. 入力スクリプトの作成
  2. 有限要素解析の実行
  3. 結果の分析
ステップ1はすでに実行しましたので、次に「2」のボタンをクリックして、electrondiode.einを選択します。EStatはelectrondiode.mouから形状データを読み込み、一連の有限要素の線形方程式の組を生成し、それらを解きます。これは数秒以内に終わります。FP File Organizerは二つの新しいファイルが作成されたことを示しています。electrondiode.els(処理内容のリストファイル)とelectrondiode.eou(各ノード上のポテンシャル値を記録したメインの出力ファイル)です。EStatで「3」のボタンをクリックしelectrondiode.eouを選びます。プログラムは、Analysisモードのメニューに移行し、図6のような等電位線プロット(デフォルト)を表示します。 このタイプのプロットは、完全な情報を示していますので経験豊富なユーザーにとっては便利なものです。
Finite-element Methods for Electromagnetics」の7.5節では等電位線プロットの解釈の仕方について説明しています。
 

静電界の等電位線プロット

図6. 静電界の等電位線プロット

 
Analysisメニューには多くの機能がありますので色々試してみて下さい。それらのうちの二つをチェックしてみましょう。電界の大きさ|E|のプロットは、高電圧システムで発生する絶縁破壊がピンポイントでどこで起きるのかを知るのに便利です。「PLOTS / Plot settings / Plot type」のメニューをクリックし、「Element」を選択し、プロットを作成します。
次に「PLOTS / Plot settings / Plot quantity」をクリックし、|E|を選びます。作成されたプロット(図7)は電子放出領域のピーク電界は約442 kV/cmであり、絶縁体の真空面での最大値は約40 kV/cmであることを示しています。次に絶縁体から下流部分の静電容量を計算してみます。真空の領域における静電界のエネルギー密度を体積積分から、この量を決定することができます。メニューの「ANALYSIS / Volue integral」をクリックします。EStatはデータレコードファイルをデフォルトの名称「electrondiode.dat」で開くよう促します。解析領域全体についての情報が画面に表示されますが、領域(region)毎の詳しい情報を見るためにはこのファイルをチェックする必要があります。
 
 

解析空間に置ける電界強度の分布

 

図7. 解析空間に置ける電界強度の分布
 
「FILE / Close data file」をクリックし、次に「FILE / Edit files」をクリックします。electrondiode.datを開きます。知りたい情報は、次のとおりです。
 
Quantity: Energy
 
Global integral:   6.358995E+01
 
RegNo   Integral
==========================
1 5.534785E+00
2 5.602793E+01
3 2.027232E+00
4 4.472539E-29
 
真空領域(Region 1)の静電容量はUe = C*V^2 /2の式から、2 * 5.5347 / 5E5 ^ 2 = 44.3 pFと求められます。
 
これでEStatの最初の静電界解析を終わります。 FP File Organizerでデータフォルダーの最終的な状態を確認することで、Field Precisionソフトウェアの次の様な二つの重要な特徴が分かります。
 
コンパクトな入力ファイルelectrondiode.minとelectrondiode.einには、数値解析を再現するために必要なすべての情報が含まれていることと、
生成したすべてのデータがアクセス可能なファイルに記録されていることです。例えばファイルelectrondiode.eouを保存しておけば、後でいつでもさらなる解析を行うことができます。
この例題の目的は、プログラムの機能の概要を簡単に見ることでした。次の記事では、解析を一から行い、メッシュ作成と解析のテクニックについて学びます。
 
 

有限要素法による電磁界計算入門 02 2次元静電界解析ソフトウェアのインストール

この記事は、有限要素法による電磁界計算入門のオンラインコースの第2回目です。
 
ここでは、トライアル用のまたは購入したソフトウェアをインストールする方法について説明します。具体的な例として、2次元の電場用の「静電場解析ツールキット」(TK0100)のトライアルの場合を考えます。ソフトウェアのトライアルを希望し、info@asl-i.comまでお問い合わせ頂きますと、次のような情報が書かれた電子メールメッセージが一日以内に届きます。
 

ソフトウェアトライアルのお問い合せどうもありがとうございます。
 
トライアルソフトウェアのダウンロードURLをご案内申し上げます。以下のURLよりダウンロードしてください。(トライアルはBasic版となっております。)
 
■ ドキュメント
http://asl-i.com/dload/3T290_doc.zip
 
■ インストーラー 
 
静電場解析キット
http://asl-i.com/update/estk0011/ElectrostaticsToolkitSetup.exe
ID: user1011     パスワード: wjx2a3b4
 
 
お手数をおかけしますが、ダウンロード後、解凍し、下記 Registratin code を使い、「アクティベーション手順.pdf」の説明に従ってインストールおよびアクティベーションを行って下さい。(米国のサーバーへのID登録に少し時間がかかりますので、アクティベーション申請は明日の朝以降にお願い致します。)
 
Registration code :  LAWRENCEER
 

 
ソフトウェアをご購入された場合は、レジストレーションコード(Pro版の場合はレジストレーションナンバー)はCD-ROM内のはじめにお読みください.pdfに書かれています。
 
インストーラを実行すると、プログラム、マニュアル、例題ファイルを含むディレクトリが作成されます。これらの新しくインストールされたファイルを確認するのにはファイルマネージャが便利です。FEMプログラムが大量の演算データを生成しますので、今後の仕事のために使い勝手の良いファイルマネージャが欠かせません。好みの2ウィンドウファイルマネージャプログラムを持っていない場合、またはWindowsエクスプローラを使用されている場合は、Field Precision のファイルオーガナイザー「FP File Organizer」をhttp://www.fieldp.com/fpfileorganizer.htmlでダウンロードしてもよいでしょう。
 

FP File OrganizerでFIELDP_BASICディレクトリを表示

図1. FP File OrganizerでFIELDP_BASICディレクトリを表示
 
ハードディスクのルートディレクトリを確認すると、インストーラーによって"c:¥FIELDP_BASIC"ディレクトリ(Pro版を購入した場合は"c:¥FIELDP_PRO")が作成されていることが分かります。図1は、このディレクトリの内容を示しています(左側)。ファイル「readme.html」には使い始めの手順が簡単に要約されています。サブディレクトリ"TriComp"(右側)には以下の様なプログラム、ドキュメントそして2Dパッケージの例題ファイルが含まれています。
 
  • dielectric_constants.html:静電場解析を設定するために有用な種々の材料の比誘電率の表。
  • estat.exe:計算メッシュと材料特性の情報から各ノードでの静電ポテンシャルの値を計算するメインの解析プログラム。このプログラムはまた、数値解のグラフやプロットを作成(すなわち、ポストプロセッシング)します。
  • estat.pdf:EStatのマニュアル。
  • estat_conductive.cfg、estat_dielectric.cfg、estat_force.cfg:静電場解析の種類ごとのEStatポストプロセッサ設定ファイル。
  • mesh.exe:2Dコンフォーマル三角形メッシュを自動生成するメッシュジェネレータ。
  • mesh.pdf:Meshのマニュアル
  • notify.exe、notify.wav:バッチ処理による自動実行の完了を通知するためのユーティリティプログラム。
  • PhysCons.pdf:物理定数を1ページにまとめたファイル。
  • tc.exe:2Dパッケージのプログラムおよびリソースをコントロールするプログラム。後で詳しく説明します。
Examples(例題)サブディレクトリには、MeshとEStatプログラム両方のために準備された例題のサブディレクトリが含まれています(図2)。これらの例題はプログラムをすぐに使い始めるための大きな助けになるでしょう。後でそれらの実行について説明します。まずは、すべてのコンポーネントが実行できるようにすることに集中しましょう。
 
FP File OrganizerでExamples(例題)ディレクトリのファイルを表示
図2.  FP File OrganizerでExamples(例題)ディレクトリのファイルを表示
 
Field PrecisionソフトウェアのBasic版は、インターネットによるライセンス管理を用いています。インストーラはデスクトップ上にTriCompのアイコンを作成します(図3)。これをクリックしてTriCompのプログラムランチャーであるtc.exeを実行します。
 
このランチャーのボタンの機能について説明します。
まず、fpsetup_basic.exe(図4、左)を起動するために"ACTIVATION"ボタンをクリックします。そして"LICENSE"ボタンをクリックします。ライセンス条項を読んだら、テキストウィンドウを閉じてください。"SETUP"ボタンをクリックし、アクティベーションダイアログボックス(図4、右)を開きます。電子メールで送られてきたレジストレーションコードを入力し、任意のユーザー名を入力します。ライセンス条項に同意(I ACCEPT THE TERMS OF THE LICENSE AGREEMENT)のチェックボックスをオンにし、コンピュータに固有のマシンナンバーを取得するために"PROCESS"ボタンをクリックします。このマシンナンバーは、クリップボードにコピーされます。
 
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図3. TriCompのアイコンとTCプログラムランチャー
 
es_installation04.png
図4. fpsetup_basicプログラムとSETUPダイアログ。
 
"SEND MACHINE NUMBER VIA INTERNET"(インターネットを経由してマシンナンバーを送信)のチェックボタンをクリックし、"EXIT"をクリックします。デフォルトのブラウザが、Field Precision社のアクティベーションページを開きます(図5)。マシンナンバー(Machine number)を貼り付け、レジストレーションコード(またはレジストレーションナンバー)を入力して送信ボタン(Send Form)を押してください。
 
Pro版の場合はさらに、24時間以内にField Precision社からアクティベーションナンバーがメールで送られて来ますので、再度fpsetup_proを起動して「3:ACTIVATE」ボタンをクリ ックし、現れたダイアログにアクティベーションナンバーを入力 し、「ACTIVATE」ボタンをクリックします。
 
これでソフトウェアが使用できるようになりました。設定ができたことを確認するために、プログラムランチャー(図3)に戻り、"MESH"ボタンをクリックします。Meshプログラムがエラーメッセージを表示することなく開きます。
 
es_installation05.png
図5.インターネットアクティベーションページ
 
起こりうる問題:

● tc.exeのMESHボタンがアクティブにならない。
対策:PROGRAM"ボタンをクリックし、"c:\FIELDP_BASIC\TriComp"ディレクトリを選択してください。

● Meshがインターネットアクティベーションに問題があることを表示する。
対策:お使いのコンピュータがインターネットに接続されていないか、プロキシサーバーを介してインターネットに接続されているかのどちらかです。コンピュータが、企業ネットワーク上にありプロキシサーバを使用している場合、ソフトウェアを使用するためには環境変数を設定する必要があります。その手順については、「プロキシーサーバーを利用している場合の設定.pdf」をご参照ください。

 
次回の記事では、EStatの例題ファイルを使用して、実世界の問題を計算し解析します。
 

有限要素法による電磁界計算入門 01 はじめに

AMaze/TriCompの開発元Field Precision社S. Humphries博士による入門記事の翻訳を今後複数回にわたって掲載致します。
 
この記事は、電磁界解析技術に関するオンラインコースを構成する一連の記事の第一回目となります。Field Precisionの有限要素法ソフトウェアは、荷電粒子加速器及びX線イメージングなどを含む物理学及び工学アプリケーションを広範囲にカバーしています。ソフトウェアパッケージの大半のプログラムの基礎でありコアとなるのが三次元ボリューム上の電界と磁界の計算です。本ソフトウェアはこれらの計算において、高い精度を有しており、また使用可能なあらゆる3Dパッケ​​ージの中で最速の計算速度を実現しています。また小さな研究所や大学、コンサルタントの方々にとっての重要な特徴は、他の競合製品と比べてはるかに低価格であることです。
 
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図1. MagViewによる磁界解析。
 
これらの電界・磁界解析ソフトウェアを効果的に使用するには、研究者は電磁気学のバックグラウンドを持っている必要があり、情報・知識に基づいた解法戦略の決定ができなければなりません。初めて有限要素法ソフトウェアを使うユーザーは、こうした要件に不安を感じることがあるかもしれません。この一連の記事を書く私の動機は、40年以上に渡る電磁界計算の経験を共有し、ユーザーの方々が自信を持って有限要素法プログラムを使用することができるように、ユーザーの方々の知識と経験を段階的に構築していくことです。
 
最終的に読者の方々は、以下のプログラムで、実世界の問題を解決することができるようになるでしょう:
 
 
まず始めに、2D(2次元)と3D(3次元)のプログラムの違いを理解することが重要です。すべての有限要素法プログラムは、三次元の電磁場を計算しますが、多くの場合、計算対象の系は幾何学的な対称性を有しており、それを作業量を減らすために利用することができます。2Dという用語は、以下の場合に適用されます。
 
  • rおよびz方向に変化があり、θ(方位角方向)に変化のない円筒座標系
  • x、y方向に変化があり、z方向に一様で長い平面座標系
有限要素計算に取り掛かる際の最初の指針は、2Dコードで処理することができる計算に3Dコードを使用する必要はないということです。3D計算にした場合、複雑さと計算時間が増加する一方、精度は良くなりません。
 
次に、静電界と静磁界の「静」の意味を明確にする必要があります。その意味は電場/磁場が時間的に一定であるか、もしくは変化がゆっくりであるということです。「遅い変化」の判断基準は、計算対象の系が電磁波を放射しないということです。静電場解析の用途は例えば、送電線、絶縁体の設計、塗装、インクジェット印刷、生物学的分類などがあります。静磁場解析の用途は、MRI磁石、荷電粒子分離、永久磁石装置などがあります。次に続くコースでは、電磁波放射(例えばマイクロ波デバイスなど)のシミュレーションをカバーします。
 
まず始める前に、電界・磁界の数値計算の目的を明確に理解していることが重要です。数値計算は解析的に正確な解を得られない場合に用いるべきです。数値解は、以下の様な状況に必要となります:
 
  • 対象となる系は、複雑な非対称の形状を有する
  • 解析対象は、異なる材料特性を有する多くの物体を含んでいる
  • 材料は複雑な性質を持っている(例えば磁気回路における鉄の飽和など)
理想的なケースでは、ユーザーは電場・磁場の値を解析的に推定し、次に精度を向上させるために数値解析法を適用します。最初の解析により、関係する物理や数値スケールの予測、効果的な数値解析の設定のための重要な情報を得られます。最悪のケースは、ユーザーがプログラムは全能のブラックボックスであり、すべてを把握していると期待している場合です。
 
ソフトウェアメーカーが解析ソフトについてどのように主張していたとしても、電磁場について理解せずに電磁界解析プログラムを使用することは、良くてせいぜいギャンブルでしかありません。時には幸運があるかもしれませんが、相当な努力の挙げ句にほとんどの時間が意味のない結果を生成するために無駄に費やされます。
 
要約しますと、私は皆さんが確かな情報に基づいてソフトウェアを使えるユーザーになる手助けをしたいということです。まず、電磁気学の理論の理解の向上に役立つ下記の無料の教科書をダウンロードすることから始めることをお勧めします。この本にはまた、今後述べるFEM(有限要素法)技術に関する詳細な説明があります。
 
S. Humphries, Finite-element Methods for Electromagnetics (電磁気のための有限要素法)(http://www.fieldp.com/femethods.html 原書はCRC Press発行)
 
次回の記事では、トライアルまたは購入されたユーザーの方々のために、ソフトウェアパッケージのセットアップの方法を説明します。