有限要素法磁場解析ソフトのための永久磁石材料データ

ボンド磁石用のネオジム粉末を製造しているMagnequench社のMiki Shen氏から情報パッケージを受け取りました。磁場解析ソフトウエアの開発者に向けたこの電子メールには、材料の特性の包括的な測定値が含まれていました。このパッケージは優れた科学的情報が含まれており、優れたマーケティング手段でもあります。それにしても磁性材料に関する質の高いデータを入手することがいかに難しいかは驚くべきことです。

この記事では、データの意味を少し説明し、2次元磁場解析ソフトPerMagと3次元磁場解析ソフトMagnumに統合する方法を紹介します。このパッケージには、4つの温度における9種類の材料についての、36のExcelスプレッドシートが含まれていました。各シートにはSIとCGS単位での減磁曲線のリストとグラフがありました。

PerMagMagnumでの作業では、SI列のHとBが注目されます。Hは印加磁場、Bは材料中の全磁束密度です。物理的な表示を最適化するために、私はHを印加磁束密度Boに変換することを好みます。
HをkA・mで表すと、Bo(テスラ)への換算係数は0.0012566となります。図1は、23℃における材料MQP-Bのデータをプロットしたものです。
印加磁束密度がない場合(Bo = 0)、この材料は固有磁化を持ち、残留磁束密度Br = 0.695テスラです。ボンディングフィラーのため、この値は純粋なネオジム材料(1.0~1.2テスラ)よりも低くなっています。
磁石と反対方向に磁束密度Boを印加したとすると、もし材料が影響を受けなければ、材料と印加された磁束密度は足した値になります。
この場合、減磁曲線は傾き-1.0の直線となります(グラフの緑線)。理想的な曲線からの偏差は、材料の減磁の程度を示します。グラフのBoの範囲は広く、完全減磁の状態まで広がっていることに注意してください。この情報はメーカーにとっては有用ですが、磁石アセンブリの設計者にとっては重要ではありません。明らかに、材料の強い減磁は実用上は許容できません。Bo=0.0付近の曲線のセクションは、ほとんどの計算をカバーしています。

図1. 減磁曲線の例。

図1. 減磁曲線の例。

 

PerMagは非線形減磁曲線全体を表現することもできますが、ほとんどの用途ではBoが中程度の値であれば直線近似で十分です。このような材料を定義するコマンドは下記になります。

PERMAG RegNo Br Bc Theta

ここで、RegNoは磁石を表す領域の番号、Brは残留磁束、BcはB = 0.0におけるBoの値、θは磁化の方向(x軸またはz軸に対する相対)を示します。下のグラフでは、Br = 0.695テスラ、Bc = -0.550テスラです。Magnumのコマンドは下記になります。

PERMAG RegNo Br Ux Uy Uz

ここで、Brは残留磁束、[Ux,Uy,Uz]は3次元空間の磁化方向を定義する単位ベクトルです。
Magnumでの仮定は、曲線が理想的な直線に近いということです。
実際には、この近似はわずかな誤差をもたらすだけです。Magnequenchデータパッケージのダウンロードはこちらから: magnequench.zip