例題:イオンビームの拡がりのモデリング(2D)

イオンビームの拡がりのモデリング

パッケージ Trak荷電粒子解析キット
入力ファイル BeamExpandTrak.DST, BeamExpandTrak.MIN, BeamExpandTrak.EIN, BeamExpandTrak.TIN
ダウンロード ExpandBeamTrak.zip
説明

本例では、空間電荷力によって真空中でイオンビームが拡がる様子をモデル化しています。作用する力がビーム自身の自己無撞着な分布のみによって生じるため、コードの精度評価において非常に敏感なテストとなります。入力ビームは、半径2.0 mm、エネルギー80 keV、電流20.0 mAのHe²⁺イオンからなる平行ビームです。本例では、GenDistを用いた所定のビーム分布の生成方法と、良好な収束を得るためのTrakパラメータの選択について示しています。

結果

下図は、出口位置においてTrakの分布モードで表示されたビーム特性を示しています。f(r, r’)プロットは整然とした拡がりを示し、最終的なエンベロープ半径は R = 14.3 mm、エンベロープ角は R’ = 5.26度(= 0.0918ラジアン)です。参考文献 Charged Particle Beams(第5.4節)では、一様電流密度ビームの拡がり理論が解説されています。モデルパラメータは、Chi = 14.3 / 2.0 = 7.15、F(Chi) = 6.52、イオン速度 vi = 1.96×10⁶ m/s、ビーム電流 Ib = 20.0×10⁻³ A です。一般化パービアンスは
K = (Z・e・Ib) / (2π・ε₀・mi・vi³) = 2.29×10⁻³
と求められます。予測されるエンベロープ角は
R’ = √(2K ln(Chi)) = 0.095 rad、
また予測される通過距離は
L = (Ri / √(2K)) · F(Chi) = 193.0 mm
となり、いずれも数値計算結果と良好に一致しています。

コメント

テキスト Charged Particle Beamshttps://www.fieldp.com/cpb.html からダウンロード可能です。また、例題 「イオンビームの拡がりのモデリングでは、同様の計算をOmniTrakを用いた3次元モデルで示しています。